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10年来の慢性腰痛と下肢放散痛、および随伴する頭痛

【患者特性】

  • 年齢・性別:50代 男性(給湯器メーカー・技術職)
  • 主訴:慢性腰痛、下肢への放散痛、頭痛
  • 既往歴:高コレステロール

【来院に至った経緯】

数十年にわたり、重量物の運搬や狭所での取り付け作業に従事。常に重い機材を携行し、無理な姿勢での作業を繰り返す中で、10年前から慢性的な腰痛を発症。近年は立位保持だけで下肢に痛みが走り、起床時の動作にも支障をきたしていた。

また、腰をかばう姿勢から首・肩の過緊張が慢性化し、2ヶ月前からは原因不明の頭痛も併発。全国転勤に伴い各地で整体やマッサージを渡り歩いてきたが、いずれも一時的な効果に留まっていた。「このままでは仕事を続けられない」という強い不安の中、当院で改善した同僚の紹介を受け、沖縄赴任先からの帰省を機に来院された。

【初診時の状態・検査所見】

  • 視診:左耳介上方、右肩甲骨上方、左腸骨上方(全身的なバランスの崩れ)
  • 触診(静的・動的)
    • 左仙腸関節上縁、下部腰椎(L4,3,2)棘突起下端に窪んだ浮腫
    • 脊柱起立筋、左胸鎖乳突筋の顕著な過緊張
    • 左短下肢、左乳様突起の浮腫
    • 可動域制限(FIX):左仙腸関節、C1(第1頸椎)
  • 整形外科的テスト
    • 頚部:バレリュー(-)、マイグネ(-)
    • 腰部:SLR(-,-)、ケンプテスト(-,-)
  • 体表温度検査:L5、S2、C6、OCC-C1に有意な温度差を確認
  • リスティング:L Ili PI(左腸骨後下方変位)、ASL(第1頸椎前方上方左側方変位)

【経過と内容】

仕事の都合上、月に一度の帰省時に「2日連続」でケアを行う変則的なスケジュールで開始した。

  • 4週目(第3回アジャストメント): 重量物運搬時の痛みは残存するものの、起床時のスムーズさが向上。
  • 8週目(第6回アジャストメント): 骨盤部の浮腫が引き、腰部の緊張が緩和。両足に広がっていた痛みが骨盤周辺に限定され、日常生活での不快感が減少。
  • 16週目(第8回アジャストメント): 腰から足にかけての痛みは消失。さらに、2ヶ月に1回襲われていた激しい頭痛も出現しなくなった。体表温度や筋肉の緊張も安定。

現在は、過酷な現場仕事を継続するためのメンテナンスとして、月1回のケアを継続中である。

【考察】

本症例の腰痛および下肢への放散痛、頭痛は、長年の肉体労働による骨格への過度な負荷と、放置された神経圧迫が複雑に関与している。

身体の基盤である左仙腸関節がロック(可動制限)されたことで、回旋に弱い腰椎(L4-L5)に長年不自然な負荷が集中し、椎間板の変性や神経圧迫を進行させていたと推察される。また、脊柱には「土台の不安定を上部で補正する」性質があるため、骨盤の歪みが頸椎の変位を誘発。これがサブラクセーション(神経伝達阻害)となり、二次的な頭痛を引き起こしていたと考えられる。

継続的なアジャストメントにより、骨盤という「土台」の可動性が回復し、全身の神経伝達が正常化された。その結果、10年来の腰痛のみならず、頭痛の消失という広範な回復に至った。改めて、正確なアジャストメントが引き出す「自然治癒力」の可能性を実感した症例である。

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