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常に気になっている慢性的な腰痛

長年常に気になっている腰痛
【40代 女性】 【主訴】 慢性的な腰痛 【既往歴】 右手首手術歴あり
【来院に至った経緯】 身体の不調を自覚したのは早く、小学4年生の頃にはすでに肩こりや腰痛を感じていたという。本格的な腰痛へと発展したのは社会人になってからで、それ以来、日常生活において常に腰に違和感を抱える状態が日常化していた。
過去に2度のぎっくり腰を経験しており、その都度、近隣の整骨院等で応急的な処置を受けてきた。しかし、その場しのぎの対応では一時的に痛みが和らぐだけで、根本的な解決に至らないことに対し、強い不安と不満を抱え続けていた。
安静時でも常に「何かが気持ち悪い」という独特の違和感があり、仕事中のデスクワークや前屈み動作で痛みが増強。不思議なことに、スニーカーよりも数センチのヒールがある靴を履いた方が腰の調子が楽になるという感覚を持っていた。
「急な動きは腰に響く」という恐怖心から、常に腰を庇い、ゆっくりと動くことを余儀なくされる生活。そんな中、朝の出社準備中に特別なきっかけもなく、徐々に腰の痛みが激化。3度目のぎっくり腰を発症した。
今回は自力で歩行可能だったものの、「ぎっくり腰は適切にケアしなければ深刻化し、繰り返す」という事実を痛感。「単に動けるようになるだけでなく、長年の違和感と再発の恐怖から脱却したい」と切望し、ネット検索で評価の高かった当院を信頼して来院された。
【初診の状態】 胸鎖乳突筋の緊張、左脊柱起立筋の緊張、左仙腸関節の可動域制限。
【所見】 頚部:バレリュー(-)、マイグネ(-) 腰部:SLR(-,-)、ケンプテスト(-,-)
【体表温度検査】 C1, C6, T1, L4, 仙腸関節に異常反応。
【視診】 右耳介上方、右肩甲骨上方、左腸骨上方を確認。
【静的触診】 T2~T7ディッシング、第4・5腰椎棘突起下部の浮腫、左PSIS(上後腸骨棘)下部の窪んだ浮腫を確認。
【動的触診】 左仙腸関節の可動制限、腰椎の伸展制限。
【リスティング】 左ASEX S3P ASR
【来院日】 R7. 6/7, 10, 15, 21, 28 7/7, 12, 18, 23 8/5, 11 9/8, 14, 25, 30 10/9, 15
【経過と内容】 初診時の体表温度検査では、骨盤部と上部頸椎に顕著な左右差を確認。第4・5腰椎や左仙腸関節周辺にスポンジ状の浮腫、右第1頸椎(アトラス)横突起にも浮腫を認めた。
左脊柱起立筋の緊張は骨盤まで及び、第5腰椎の圧痛と後方変位、および可動域制限が確認されたため、週1回のペースでケアを開始した。
4週目(5回目のケア):ぎっくり腰の痛みは消失し、日常生活に支障がないレベルまで回復。
8週目(9回目のケア):突発的な動きへの不安は残るものの、痛み自体のスケールが減少。左仙腸関節の浮腫も縮小傾向を示した。
14週目(15回目のケア):体調を崩し一時的に腰痛が再燃したが、ケアを行うと翌日には回復。睡眠の質が向上し、朝の疲労感が激減したことを喜ばれていた。
17週目(18回目のケア):長年の「腰の気持ち悪さ」が消失。疲労時に違和感が出ることはあるが、痛みそのものは気にならないレベルで安定。各部の浮腫も目立たなくなった。
現在は、多忙な仕事と生活習慣を考慮し、更なる健康増進のために定期的なメンテナンスを継続されている。
【考察】 本症例の根本原因は、左仙腸関節の可動制限にある。カイロプラクティックにおいて、腸骨と仙骨はシーソーのように連動してバランスを取る。 今回のケースでは「左腸骨の前方変位」という構造的なズレが生じ、骨盤全体が前のめり(前重心)になっていた。
これを補正するために仙骨が後方へ傾く代償作用が働き、この無理なバランスが神経伝達に悪影響を及ぼしていたと考えられる。 脳が正確な姿勢情報を得られないために生じていた「常に腰を庇う防御反応」や、猫背による腰椎の後弯、またヒールを履いた方が楽に感じる(前重心を強制的に補正する)といった現象は、すべて神経的な乱れに対する身体の適応メカニズムであった。
アジャストメントにより仙腸関節の機能が正常化すると、脳と身体の情報交換がリブート(再起動)され、無意識のうちに姿勢が改善。背中を丸めて座る習慣も自然と消失した。 ぎっくり腰の再発についても、左の固定を補うために右が過剰に動き、腰椎5番の椎間板に過度な回転負荷がかかっていたことが要因と推測される。
サブラクセーション(根本原因)を放置したことで阻害されていた「自然治癒力」が、神経伝達の回復によって最大限に引き出された。長年の違和感から解放されたことは、人間本来の回復力の素晴らしさを物語る症例である。



