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学生時代から続く重度の生理痛(PMS)および急性腰痛(ぎっくり腰)

【患者特性】

  • 年齢・性別:20代 女性
  • 主訴:重度のPMS(月経前症候群)、急性腰痛(ぎっくり腰)
  • 既往歴:特記事項なし

【来院に至った経緯】

17歳頃より生理痛が始まり、加齢とともに鎮痛薬の効果が減弱。近年は生理数日前から強い重だるさを感じ、ピーク時には下腹部から臀部にかけての激しい締め付けにより立位困難となり、仕事を欠勤せざるを得ないほど深刻化していた。

産婦人科にて生理を止める薬を処方され、痛みは消失したものの、毎日の服用による煩わしさと気分の浮き沈み(情緒不安定)に悩み、薬に頼らない解決策を模索されていた。そのような折、デスクワーク中に人生初の「ぎっくり腰」を発症。歩行困難な状態となったことを機に、腰痛の解決と、かねてより期待していた「骨盤調整によるPMS改善」を目的として当院に来院された。

【初診時の状態・検査所見】

  • 視診:右耳介上方、右短下肢
  • 触診(静的・動的)
    • 右後頭下および右仙骨翼にスポンジ状の浮腫
    • 腰部起立筋および右胸鎖乳突筋の過緊張
    • 可動域制限(FIX):S2(仙骨)、L5(第5腰椎)、C1(第1頸椎)
  • 整形外科的テスト
    • 頚部:バレリュー(-)、マイグネ(-)
    • 腰部:SLR(-,-)、ケンプテスト(-,-)
  • 体表温度検査:C1-OCC、C5、L5、S2に明確な温度差(パターン)を確認
  • リスティング:S2 P-R(仙骨後方右変位)、C1 ASR(第1頸椎前方上方右変位)

【経過と内容】

ギックリ腰の急性期症状を考慮し、初期は週2回の頻度でケアを開始した。

  • 3週目(第5回アジャストメント): 歩行困難だった腰痛がほぼ消失。腰部の熱感や仙骨部の浮腫も顕著に軽減した。
  • 8週目(第12回アジャストメント): 生理前の腹部・腰部の痛みが以前ほどの強さではなくなった。また、慢性的な睡眠の質の悪さが改善し、朝の目覚めが良好になるという体質の変化を実感。検査上も仙骨翼の浮腫が消失。
  • 12週目(第21回アジャストメント): 生理前のイライラや気分の落ち込み、下腹部痛が明らかに軽減。薬に頼らずとも通常通り業務に励めるまで回復した。副次的な変化として、健康意識の向上からダイエット目的の水泳を開始されるなど、活動的な生活習慣へと転換された。

【考察】

本症例は、長期にわたるPMSに急性腰痛が重なった事例である。根本原因は、身体の土台である骨盤部(特に仙骨)のサブラクセーション(神経圧迫)による自律神経機能の失調にあると推察される。

仙骨から出る副交感神経は、子宮や卵巣の機能を支配している。この部位に長期的なサブラクセーションが存在したことで、脳が骨盤内臓器の状態を正しく把握できず、ホルモンバランスの乱れや致痛物質(プロスタグランジン)の過剰分泌を招いていたと考えられる。また、土台の不安定さは交感神経を優位にさせ、全身の筋緊張を増幅。その限界点が「ぎっくり腰」として露呈した。

アジャストメントにより神経圧迫を取り除いたことで、脳と身体の情報伝達が正常化。急性症状の迅速な回復のみならず、長年の課題であったホルモンバランスと自律神経機能が回復へと向かった。人間の持つ「自然治癒力」が正しく発揮された結果、多角的な症状改善に至った重要な症例である。

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